空腹感を抑えて痩せる血糖値ダイエット
2015/12/25
空腹感というと、お腹の中が空っぽになった状態っぽいですけど実は違うんですよね。
空腹感とは実は、お腹の中、胃の中の状態ではなくて脳の状態です。
もちろん胃の中が空っぽだと空腹感は感じますが、それだけではなく血糖値の上下によっても空腹感や満腹感を脳が勝手に感じます。
空腹感とは、血糖値の低下によって引き起こされる、エネルギー補給を促すサインです。
血糖値が上がる仕組み、下がる仕組み
ちなみに血糖値というのは、その名のとおり、血液中のブドウ糖の量のことです。
そしてこの血糖値を維持しているのは肝臓に蓄えられたグリコーゲンです。グリコーゲンが減ると血糖値も減って脳が空腹を感じます。
具体例を挙げると、食事をすると炭水化物からグリコーゲンが作られ、血糖値が上がり脳は満腹感を感じます。
そして時間が経つとともに血糖値はじょじょに下がり、数時間経つと脳が空腹感を感じるようになります。
一般的に、食後1時間半で血糖値は160㎎/dl程度まで上がります。また食後3~4時間で血糖値は70㎎/dlまで下がり、ここで脳が空腹を感じる、という仕組みです。
食べ過ぎるとインスリンが血糖値の推移を狂わせる
通常であれば血糖値は急激に上下を繰り返すことはありません。
普通のペースで食事をして1日3食+すこしの間食であれば、良い感じに血糖値も推移して、空腹感もバランスよく訪れます。
ただここでひとつ問題が出てきます。
一度にドカ食いをして食べ過ぎたり、血糖値を上げやすい食材を食べると血糖値が異常に上昇します。
そうなると身体は体内の血糖値を正常に保とうとして、インスリンを大量に分泌します。
ちなみにインスリンは上がりすぎた血糖値を正常に保とうとする働きがあります。
ではどうやって血糖値を正常に保つかと言うと、余分な血糖を肝臓や筋肉や脂肪細胞に取り込もうとして、血糖値を抑えにかかります。
すると、筋肉や脂肪細胞にブドウ糖が取り込まれている状態なのに、血液中のブドウ糖が不足し、また脳が空腹感を感じてお腹がすく、という悪循環に陥ります。
低インスリンダイエット、低GIダイエットのこと
という訳で、空腹感をなるべく感じないためには、血糖値の上昇をなるべくゆるやかにしてあげる必要があります。
血糖値の上昇がゆるやかになればインスリンの分泌が抑えられ、長時間満腹感が続くという訳です。
インスリンが分泌されなければ血糖が脂肪細胞に取り込まれることもないので、脂肪もたまりにくくなります。つまり太りにくい体質に慣れるという訳です。
ちなみに血糖値の上がるスピードをGI(グリセミック・インデックス)と言います。
よく低GI食品と耳にしますが、低GI食品というのは血糖値をゆるやかに上げてインスリンの分泌を抑えてくれる食材のことを指しています。
血糖値を急激に上げない食事方法
ダイエットをするならなるべく血糖値を上げ過ぎずに、インスリンの分泌を抑えておくことが大事になります。
そのためには食事時間が重要になります。
食事の時間帯が不規則だと空腹時間が長くなり、いざ食事をした時に血糖値が急激に上がります。
できれば1日3食きちんと摂り、あとは適度に間食を食べて血糖値が上がりすぎず下がりすぎない状況をキープしましょう。もちろん全体量や全体のカロリーが増えすぎないことが大前提です。
ちなみにオススメの間食は果物、豆乳や牛乳、雑穀ごはんのおにぎり、ヨーグルト、などです。これらはGI値も比較的低くカロリーも高くないため、間食に向いている食材です。
また良く言われることですが、GI値の低い野菜類から食べて、そこから主菜、最後にGI値の高い主食を食べるという順番にすることも、血糖値を上げ過ぎない食事の工夫です。
ちなみに菓子パンやジャンクフードはGI値が異常に高いです。つまり血糖値が急激に上がり、その後急激に血糖値が下がるため、カロリーが高いわりにすぐお腹が空いてしまいます。
血糖値が下がった時は実は脂肪燃焼チャンス
ここまで血糖値と食べ物について書いてきましたが、実は血糖値は脂肪の燃焼とも大きな関係があります。
血糖値が上がるとインスリンが血液中のブドウ糖を脂肪細胞に溜めこむため、脂肪は蓄積しやすくなります。
逆に血糖値が下がっている状態は、血液中のブドウ糖が少ない状態です。
ここで運動をすると血液中のブドウ糖だけではエネルギーとして不十分なので、予備のエネルギーである体脂肪を燃焼させてエネルギーを補おうとします。
つまり、血糖値が下がり空腹感を感じている時というのは、実は運動をして脂肪を燃焼させる大チャンスでもあるということです。
空腹時に運動をすると血糖値が上がり、空腹感がおさまる
空腹時に運動をすれば効率よく脂肪を燃焼させられるだけではありません。
空腹時に運動をすることで体内の血糖値が上がります。そうするとそれまで感じていた空腹感が収まることがあります。
よくお腹が空いた時には「その場で10秒ダッシュ」をすると空腹感が収まると言われるのもこの仕組みです。
血糖値の仕組みをダイエットに応用すれば、なるべく空腹感を感じないで楽にダイエットできるようになります。